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オル・チキ文字 (英: Ol Chiki)は、サンタル語を表記するために1940年代にラグナート・ムルム(Raghunath Murmu 1905.5-1982.2) という一人のサンタル人によって考案された。サンタル語は400万人以上の話者人口を有するインド最大の少数民族の言語で、ビハール州に200万人、西ベンガル州に150万人、オリッサ州に50万人の話者がいる。サンタル人はもともとサルタル語表記のための文字を所有していなかったため、各地に住むサンタル人はサンタル語を母語としながらも日常ではそれぞれの地域で優性である言語の文字を使用している。ビハール州ではヒンディー語のデヴァナガリ文字、西ベンガル州ではベンガル語のベンガル文字、オリッサ州ではオリヤー語のオリヤー文字をサンタルの表記に使用している。またローマ字も使用され、様々な文字体系が用いられている。オル・チキ文字普及の背景には、サンタル人をはじめとするインドにおける少数民族の政治運動があり、民族の自治独立を求めてゆくためにはどうしても民族固有の文字体系が必要となった。『 Ol 』とはサンタル語で「書く」、『 Chiki 』とは「字」を意味し、『オルチキ』で「書き文字」という意味になります。 |